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ジャワ中部地震被災者支援へのご協力のお願い
 2006年5月27日午前5時54分(現地時間)、マグニチュード6.2の地震がジャワ島中部のジョグジャカルタ市より15km程南の南部海岸近くで発生し、多数の死者(3000人以上)と負傷者が出ています。避難民は20万人に上るとみられ、家屋、病院など建物の被害も深刻であり、今後、中長期的な復興活動が必要になると思われます。
 NINDJAは、これまで現地と培ってきた草の根のネットワークを生かし、屋台、ヤギ、メロン栽培支援をおこなってきました。現在、いただいたカンパの残金を生計自立支援プロジェクトとして活用させていただいている段階です。今後ともご支援いただけると幸いです。

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農業支援 : 秤を買って、どうする?〜農民の地位・生活水準の向上とプロジェクトの持続性を図る試み〜
投稿者: NINDJA 投稿日時: 2009-4-27 13:15:00 (702 ヒット)

■ 作ったメロンは全部で何t???
 秤を買った。メロンの重さを量るためである。
 収穫待ちのメロンは、仲買人によって値段がつけられ、畑1枚分のメロンが一度に買われていく。「1kgにつきメロン価格は…ルピアで、ここの畑のメロンは全部で5tだからトータル…ルピア」と、仲買人が畑を値踏みする。これにたいして、「いや、それは安すぎる。もう少し上乗せを…」などと、農民には価格交渉の余地が残されている。
 1枚の畑には、大きいメロン(3.0kg以上)があり、小さいメロン(1.7kg程度)があり、その中間くらいのメロンがあり、ばらつきがみられる。メロンの粒をそろえることができれば、1枚の畑の収穫量が正確に計算されやすく、農民は仲買人との交渉で損をしにくくなる。しかし実際には、技術的な問題で、1枚の畑のメロンの大きさはそろっていない場合のほうが多い。
 そこで、秤が必要になる。メロンの大きさにばらつきがあると認識したうえで、1枚の畑にどのくらいの大きさのメロンがいくつあるかを、メロン農民自身があらかじめ知っておくことで、仲買人との交渉で、より優位な立場に立ちたい。仲買人が5tと決めつけても、実際には7t程度の収穫があるのが、通常である。農民は、収穫が7tであることを秤の数字で証明できれば、仲買人が5tと踏んで決定した(あるいは、7tあると知っていながら、故意に5tで評価した)言い値を引き上げる交渉に有利に臨める。
 というのが、理屈上、農民と仲買人との取引の理想形ではある。しかし、7tのメロンを7tの価格で買い取ってもらうよう、農民が仲買人に交渉する勇気があるかどうかは、また別の問題である。農民は、生もののメロンが買い上げてもらえるかどうか、びくびくしている。7tのメロンを5t分の価格で買い上げてもらえるなら、それも「仕方がない」「全部売れなくて、丸損をするよりましだ」と思いがちである。
 これまで、多くの農民は、「この畑の収穫が5tのはずはない。少なくとも、6tはある」と思いながら、実際には8tに近い量のメロンを5t分の価格で手放してきた。NINDJAは、ほんとうは畑で何tのメロンを作ったか、それを自分が納得する価格で市場に出す方法はなにかを、農民たちに理解してほしいと思っている。自分の作ったメロンがどのくらいの量だったかを認識していれば、農民は今までより強い立場で仲買人との交渉に臨めるだろうと、期待している。「農民たちは、つけられた言い値にただ甘んじているわけではありません」と、仲買人にアピールしていくことから、農民の価格交渉力を高める試みを一歩ずつ始めたい。

■ 販売先の多角化を目指して
 従来、農民たちは、自分と同じ村の出身あるいは隣村出身の仲買人にだけ、メロンを売ってきた。その理由は、隣近所の眼が集団管理体制として機能するため、仲買人によって支払いが踏み倒される可能性が薄いからである。支払いを踏み倒した仲買人は、メロン農民をふくむ村びとたちから直接的あるいは間接的な制裁を受け、村落での日常生活ができなくなるということを保証にするからこそ、農民たちは頭金をもらうだけで、仲買人にメロンの先渡しをおこなう。近隣村の出身ではない仲買人にメロンを売り渡したことのある農民もいるが、支払いの踏み倒しが何度も発生したという。NINDJAメロン農民のガンドゥンさんも、そうしたことを経験ずみのひとりである。最近では、NINDJAジャプロジェクトの実施村周辺のメロン農民のほとんどが、同村あるいは隣村の出身の仲買人との間でのみ、収穫の取引をおこなっている。
 したがって、プロジェクト実施村界隈は、主にジョグジャカルタのいちばへメロンを運ぶ3、4人の仲買人の、メロン買いつけ独壇場になっている。農民たちと隣人の関係にある彼らがおこなう取引きは、農民たちにたくさんの利益を配分するものではないが、一概に悪いとも言えない。農民が損をしない価格ラインはぎりぎり守られ、支払いもまず間違いなくおこなわれる。「プロジェクト実施村周辺の仲買人さんたちには、基本的に、つき合いやすい、よい人が多い」と、NINDJAも感じている。こうした安心感が、農民に好まれ、ぎりぎりの価格ラインも、いいかげんな収穫量の見積もりもなんら見直されないまま、長期間、この種の取引が続けられてきた。
 市場適正価格の設定と収穫量の見積もりにたいする疑問のほか、プロジェクト村周辺で、仲買人同士の価格設定競争があまりないのも問題である。彼ら仲買人たちは、親族関係に結ばれた特定グループに属していることからみると、暗黙の価格協定があるのかもしれない。彼らのメロン卸し先が、ジョグジャカルタ市のギワンガンいちばとガンピンいちば以外にほとんどないこともたいしても、NINDJAは危機感をもっている。ジョグジャカルタという狭い市場だけに頼っていては、適当な季節に大量のメロンを売りさばくことはできない。実際にNINDJAが第3期に経験したメロン小売市場のだぶつきは、プロジェクト実施村周辺出身の仲買人たちが、ジョグジャカルタ以外における(とりわけ外ジャワにたいする)販路が乏しいために、メロン農民に直接降りかかってきたように思われる。
 今期(第4期)のメロン収穫に際して、NINDJAは、プロジェクト周辺村の出身ではない、スコハルジョ県スコハルジョ郡出身の仲買人に、まとまった収穫量(NINDJAメロン農民ダルさんの作ったメロンの半分)を売却した。その仲買人がダルさんのメロンにつけた価格は、プロジェクト実施村周辺出身の仲買人よりはるかに高かった。ダルさん自身は、「販売価格が高くても、その支払いがおこなわれないとすれば、元も子もない」と、同郷人以外から出てきた仲買人にメロンを売るのを怖がった。しかし、NINDJAはダルさんを説得して、スコハルジョ郡出身のメロン仲買人との取引をうながした。その理由は、当該仲買人がダルさんのメロンにたいして高価格をつけてくれたことと、彼の販路がジョグジャカルタのいちばではなく、ソロ市のグデいちばにあることのふたつにほかならない。スコハルジョ郡が自分の村から地理的に遠い、まったく知らない村であることから、ダルさんには「もしメロンが持ち逃げされても、仲買人は隣人でないから、自分が泣き寝入りするしかない」という思いがあるが、NINDJAの気持ちは少し違う。偶然とはいえ、NINDJAはスコハルジョ県スコハルジョ郡にある、今回現れた仲買人の出身村の位置や事情に詳しい。仲買人の出身村や家を突き止めることも、容易である。ダルさんが大損をする可能性は低いと確信している。NINDJAにとって、今後のメロンプロジェクトの発展を目指すなら、ここで自身のメロン販売先を多角化しておくことが重要である。プロジェクト実施村の外からやってきて、より高い価格をつけてくれる仲買人に今回の収穫を売り渡すことによって、今後、プロジェクト実施村内の仲買人にもこれまでより高価格をつけてもらおうという狙いもある。第4期の栽培をもってようやく、メロン販売先の多角化と適正価格をめぐる仲買人への挑戦を目指す、第一歩を踏み出すことができた。

■ 今後の予定〜第5、6、7期を目前に〜
 以上すべては、今後のプロジェクトの拡大にたいする準備である。具体的に言えば、NINDJAは、次々回およびその次の回、すなわち断食月を迎える前の7月(第5期)と季節的にもっとも栽培に適した時期である11月(第6期)の植えつけに焦点を合わせて、今から動いている。メロン需要が一年でもっとも増えるレバラン(断食明け大祭)直前に収穫時期をもってくることで、高価格・高収益を期待する。栽培適時にたくさん栽培することで、もっとも低リスクでたくさんの利潤を稼ぎ出し、プロジェクトの持続性を図る。このように、気候や年中行事を念頭に置いて、少なくとも1年サイクルで、栽培計画を立てていく必要がある。NINDJA農民とNINDJAが、1回の栽培の成否に一喜一憂するのでなく、農民の社会経済生活の向上とプロジェクトの持続性を念頭に置き、中長期的視野をもって活動するようになったのは、過去4回(通算1年間弱)の共同栽培経験をつうじての成果である。
 次回第5期は、メロン栽培にとって、気候的に一年でもっとも厳しい時節に当たる。厳しいからといって、まったく栽培しないわけにもいかない。年間をつうじて、NINDJAメロン農民に仕事があり、彼らがなんとか食いつないでいく機会を用意することが、NINDJAの仕事である。たいへんな季節にも、リスクを最小化し、栽培の成功を実現させる方法を、この間少しずつ勉強してきたつもりである。「厳しい季節には、まずは畑の選定をより慎重におこなうことが大切!」と、第4期の中ごろからすでに、村の土地にかんする情報収集も始めている。ジャワ島中部地震3周年を迎えるころにスタートする第5期植えつけに際して、NINDJAはいっそう気を引き締め、メロン農民と畑に向き合っていこうと思う。
 
(報告:間瀬朋子)

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