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インドネシア人権基金へのご協力のお願い
 98年5月のスハルト退陣から十数年がたちました。インドネシアは、改革・民主化の道を歩みはじめたものの、まだまだ多くの課題が残っています。「インドネシア人権基金」は、軍事作戦の被害者や、開発によって生活の基盤を奪われた住民、攻撃されるマイノリティなど、さまざまなかたちで人権を侵害されている人びとに対し、緊急の支援をおこなうものです。
 みなさまからいただいたカンパは責任をもって管理し、インドネシアのNGOなどと協議のうえ、必要なときに届けさせていただきます。ぜひご支援をお寄せください。

Warung NINDJAからご支援いただけます
投稿者: NINDJA 投稿日時: 2010-7-28 23:48:34 (2183 ヒット)

 7月26日、病気で入院中のパプア政治囚に会い、プールしてあるインドネシア人権基金から100万ルピア(1万円)をカンパさせていただきました。以下ご報告させていただきます。

■ パプア問題について
 パプアは国連暫定統治後、インドネシアに権限が譲渡され、そのもとで帰属を問う住民投票が実施されたという経緯をもつ。住民投票に参加した議員は、事前に一カ所に集められ、外出禁止、インドネシア国軍の「教育」を受けたという。カネを渡され、売春宿に連れて行かれ、インドネシアを選択しなければ妻子を殺害すると脅され、独立を要求すれば口を裂くと脅され、そういう状況で実施された住民投票は、秘密投票の原則も守られなかった。一列に並ばされ、独立したい人は前に出ろ、手を挙げろと命令されたのだった。皮肉にも「自由選択行為」と名付けられた、この不自由な住民投票は69年。以来、パプアでは独立運動がつづいている。
 住民の独立への思いを強めているのは、差別と人権侵害。髪が縮れ、肌の色が黒く…といった身体的特徴、自然に依拠した暮らしなどから、パプアの人びとは原始的と考えられている。
 スハルト時代、アチェ、東ティモール、パプアの3地域は「軍事作戦地域(DOM)」に指定され、大規模な軍事作戦とそれにともなう人権侵害が発生した。スハルト後のワヒド政権下で、「パプア国旗」であるモーニング・スター旗の掲揚が認められたが、メガワティ政権下で再び禁止されるようになる。

■ 政治囚フィリップ・カルマさん
 会った政治囚フィリップさんは、パプア独立記念日(12月1日)式典時に逮捕された。事前に警察への届けも出していた。しかし当日、旗揚げをめぐり治安部隊と住民が衝突する。別の政治囚(Aさん)は、このとき治安部隊が発砲した弾が、演説時につかっていたメガフォンに命中したという。メガフォンがなければ、この政治囚の胸に中っていただろう。
 フィリップさんは逮捕され、警察に連行されるとき、トラックの荷台でうつ伏せにされ、その背中の上に警察官が乗っていた。裁判プロセスは公正なものとはいえず、Aさんが退席しようとしたら、判事が警察に向かって発砲を命じたこともあったほどだった。地裁で禁固15年、高裁への控訴、最高裁への上告ともに棄却された。「刑務所は動物園よりひどい状態」で、刑事犯と同室、トイレは穴だけでひどく臭う。
 フィリップさんは、2020年にはパプア人が消滅するのではないかと懸念している。アメリカのネイティブ・アメリカン、オーストラリアのアボリジニ同様、パプア人に対するさまざまな種類のジェノサイドが存在するという。パプアは、インドネシア最悪のHIV感染率だが、その対策資金も元役人がつくった御用NGOで消えてしまう。
「政府はパプアの鉱山、海洋・森林資源をみるだけ。パプアに住む人びとのことは見えていない」
「パプア人を人間と思っていない」
「パプア人の役人も、幼いときからの恐怖が強く、パプア人を助けられない。ジャカルタの決定に従うだけ」
このように語るフィリップさんは、国連がパプアに「債務」を抱えていると考え、国際法による解決を希望している。

(報告:佐伯奈津子)